おのれらに告ぐ! 平田弘史展についてやけに熱く語ってみる

2017/02/10 6:01

写真:ただ(ゆかい)

平田弘史展が東京の弥生美術館でやってる!

というニュースを書こうと思ったんですけども、なーんか僕のテンションと違うんだよなあ、ということで、だらだらしてたら時間が経ってしまった。やばい。前期12日までなのに!

コーナータイトル、平田先生直筆です!

というわけで気持ちを切り替えて、自分のコラムとして書かせていただきます。

まずね、平田弘史先生という偉大な偉大な真に偉大な天才の存在を知っている人、その劇画に触れたことのある人たちは、
ぬあに〜〜〜! そんな展覧会が〜〜〜! 馬じゃ、馬を用意せえ〜〜〜!
ってもう駆け出してるはずなんですよ。

だから、やってますよ、っていう告知でOKなんですよね。だって読んだことあったら、どうしても見たいと思うから。

実物見るしかないじゃないですか

だけど僕としては、いわゆる「ファン」じゃない人にも見て欲しいな、と思うんです。というか、これをキッカケに平田先生の劇画に触れていただきたい!! 読んでみてくれ!! それに尽きるんです。

その魅力をどこから語ったらよいのか難しい。

本展を企画した弥生美術館の松本品子さんによれば
「来場者、ほとんど男の方です!」
とのこと。

竹久夢二美術館と併設された弥生美術館は普段、女性のお客さんでごった返しているわけですよ。それなのに平田展は男ばっかり!
実に、男くさい作品ではあります。男のファンが多いだろうよ! とは思うんですよ。でもなんか腑に落ちないんですよねえ。

平田先生が「バイトとしてのマンガ」と称する、自分の生活を描いた『お父さん物語』の1コマ。これはめちゃくちゃ愉快な作品。

平田作品って、ほかの「劇画」とか「時代劇画」とまったく違うんですよね。史実を積み上げて、その時代に振り回された下級武士のどこにもやり場のない感情を、丁寧かつ冷徹に描く。そういう作品なんですよね。

作者の都合でキャラクターが動かされるエンタメ作品ではなく、その時代に生きた人間をただただ描く。
結果的に、ものすごく残酷なことや、現代の常識からは目を背けたくなるような光景も展開されるわけだけれど、それが胸を打つ。痛みを感じる。この例が適切かどうかわからないけれど『プライベート・ライアン』なんか見た時の「痛い」シーンの感触というか。とにかく生々しい。

なんでも平田先生は、初めて描いたマンガがそのままデビュー作で、しかもたった一晩で描いた16ページだという話。しかもその後も、他のマンガを読むことなく、時代小説なども読むことなく、ひたすら歴史文献にあたって史実を調べ、それで物語を紡いでいったということ。

そのデビュー作も展示されてます。

だから、見た目こそ他の時代劇画と共通点があるものの、その作劇はまったく根っこからして違う。その根っこから大きく育った幹も、ぜんぜん違うものなんですよ。宇宙からやってきた植物の種子が地球に根付いて異様にでかい大木になったみたいな感じ? この例え、かえってわかりづらい!

なにが言いたいのかというと、劇画に対する先入観とかを取っ払って平田作品を読んでくれ、展覧会を見に行ってくれええええというわけです。

ああ!! 書き忘れそうになったけど、絵がもの凄いから!
大事なことなのに、自分的にあたりまえすぎて書くの忘れそうになりました。

カラー原稿も豊富に展示されてます。ポスターカラーや水彩絵具など、どこにでも売っている画材で描く!

開明墨汁とかぶらペンで描かれた脅威の描写。
マンガの原画展は、もう日本ではそこら中でやってるじゃないですか。あえて分けるとするならば、催事と展示がありますね。これは明らかに展示です。

そして、原画を見る楽しみには、メイキングを見る、と、原画自体の美しさを見る、「絵」として見る、っていうのがあると思うんだけど、今回はもう原画そのものに目玉が釘付けです。

実物の「絵」を見る楽しみは、印刷では見えてこない画家の筆の運びなどを体感して、観賞者の体にその「画家のからだの運び」が再生される喜びっていうのがひとつあると思うんですね。それでいうと、この展示、目ン玉に力を入れて平田先生の原画を見るとですね、なんかすげえ熱くなってくるんですよ。1コマ1コマに対する熱量が、目玉を通して自分の指先に伝わります。熱いヨ〜。

あー、興奮しすぎた。
さて、展覧会情報です。

時代劇画の平田弘史先生の、生誕80年と画業60年を記念した展覧会『超絶入魂!時代劇画の神 平田弘史に刮目せよ!』が、東京の弥生美術館で開催中です。

会場風景

初公開原画を含む約300点を含む展示。平田先生の展示というのは、コミコンなどの海外で数十点が展示されたことはあるものの、国内ではまとまった展示がこれまでありませんでした。というわけで事件です! これだけまとまって見られるなんて!

プロの音楽家に尊敬され愛される音楽家をミュージシャンズ・ミュージシャンなんて言ったりするようですが、平田弘史先生はまさにマンガ家に尊敬され愛されるマンガ家なのではないでしょうか。展覧会に先立って結成された『平田弘史応援隊』には、みなもと太郎先生、池上遼一先生、大友克洋先生、寺田克也先生などなど錚々たる面々がメンバーです。

そして直前の告知ですいませんが、2/12までが前期。

3/4には、大友克洋さん x 寺田克也さんのトークショーが!

事前申込制 2000円
2/12 13:00 より申し込み専用メールアドレスにて受付開始。先着順。
申し込み専用アドレスは、2/12 13:00に弥生美術館ホームページにて告知とのこと。

グッズもやばいなあ。

これ以外にも定番のクリアフォルダーなどなどあります。

あと、併設のカフェで『弘史カプチーノ』なるものが飲めます。

何考えてんだ……。

本展示にあわせて図録がわりの書籍が発売されています。会場に駆けつけられない方はこちらをどうぞ!

平田弘史 その軌跡


『超絶入魂!時代劇画の神 平田弘史に刮目せよ!』

前期:1/3(火)~2/12(日) 後期:2/14(火)~3/26(日)

休館日
月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

開館時間
午前10時~午後5時(入館は4時30分までにお願いいたします)

料金
一般900円/大・高生800円/中・小生400円(竹久夢二美術館もご覧いただけます)

会場
弥生美術館
〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-3
TEL 03(3812)0012

主催
弥生美術館(HP

特別協力
株式会社ラピュータ

マンバでも平田弘史ファンの熱い会話が行われていますので、ぜひ!!

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治水マンガの傑作 とみ新蔵はネットで剣術動画を公開しているぐらいの剣術好きですから… ちょっと種別は違いますが「ツマヌダ格闘街」は、人体の動きについて説明している部分が多かったですね。 弓道士魂は、術理解説よりも鍛練に主を置いている傑作だと思っています。

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伊藤 ガビン
マンバ通信をちまちま編集中