これぞリアルな中流女子校の姿! 天真爛漫すぎたあの頃の記憶が蘇る『女子校デイズ』

2018/12/12 12:00

マンバ通信編集部がこれはと思うマンガの1巻を紹介するコーナー「1巻でました!!」。前回、このコーナーのルールに反して読み切りコミック作品を紹介してしまい、次回こそは1巻紹介するゾと思っていたのですが……また懲りずにまた読み切りコミック(しかもコミックエッセイ)をご紹介したいと思います。

そもそも、最近出たばかりのおもしろい1巻を探すのって難しい。

今回、自分の順番が回ってくることを考え、何冊か買って読んでみようとAmazonで女性ものコミック(少女向けも含む)の最新情報を検索しまくってみたのですが、なんかどれもこれも表紙で女性と男性が抱き合ってたり、チューしてたり(学生が表紙でチューすんな! 表紙でチューしてるってことは、中でもっとすごいことしとるな? けしからん! 親は泣いてるぞ。ケジメなさ〜い!!!! )するのがめちゃくちゃ多くて、恋愛モノが苦手な私はヤル気がスカスカになりかけてしまいました。

そんな時、ネットで見かけて手にしたのが、この『女子校デイズ』です。

(『女子校デイズ』グラハム子)

作者のグラハム子さんは、地方の女子高校を卒業し、現在は夫と子どもと暮らす30代の女性。ふだんは主に子育て系マンガを描いている方なのですが、なぜこの女子校マンガを描いたのか? そのきっかけをこの本の冒頭で語っています。

以前夫お互いの高校時代の話をしたことがありました。
体育祭や文化祭の思い出。修学旅行の夜や席替えの様子……
共学出身の夫の話には、私が経験できなかった憧れのエピソードが多々ありました。
しかし逆に、そうか、私の過ごした青春は女子校だったからこそ経験できたんだ!
そう思い、女子校時代の話を描いてみたいな、と思ったのがこの漫画を始めたきっかけです。

実は私も中学校から高校まで校則ガチガチのカトリック系女子校(お嬢様校ではない)に通っていたため、周囲の人たちと学生時代の話になるたびに、共学女子とのノリの違いをヒシヒシと感じていたひとり……。

だからといって自分の学生時代が共学に比べて最悪だったかというと、全然そうじゃないんです。むしろ私にとっては「最高〜!!! マジで女子校サンキュー!!!! フゥ〜〜〜〜!!!!」と思える6年間で、今でも一番記憶に残っているのは、この頃の出来事ばかりです。きっと私は生まれ変わっても女子校を受験すると思います。

女子校経験者にとって、この作品はわかりみと共感の嵐が起きるであろう内容です。もちろん、女子校未経験の人にも女子校の真の姿を知ってもらうにはオススメの一冊なので、エピソードを少しかいつまんで紹介したいと思います。

ひと昔前の少女マンガなどで描かれていた女子校といえば、お嬢様しか通っていない金持ち上品系、または共学に通っていてもおかしくないふつうの女子が通う学校ばかりでした。しかもストーリーを盛り上げるべく、陰湿なイジメシーンなどがよく描かれるので、そういったマイナスイメージを持たれている方は少なくないのかなと……

しかし、私が知っているリアル女子校は概ねこんな感じなのです。

ギャルもオタクもふつうの子もみんな並列

みんなお互いのクラスタが違うことは認識しつつも、分け隔てなく接し、お菓子だって一緒に食べる。グラハム子さんもこの本の中で仰っていますが、女子校は「男子の目」を意識しなくていい分、自分のポジショニングの確立に必死にならなくてもいいんです。クラス内にゆる〜い格付けはあったとしても「クラスの奴らはだいたい友だち」感覚なので、とにかく気持ちがラク。たまにオタクの子が茶化されることはあったけど、慢性的にネチネチと攻撃され、イジメに発展するようなことはまったくありませんでした。ここでもそのような描写は一切出てこないので、きっとこれが平均的な女子校の姿なのかなと。

また、色気に回すはずのパワーが全力で趣味に投入されるため、各ジャンルのオタクが存在するのも女子校の特徴。それぞれのオタクたちは、お互いの趣味を否定したり差別することもありません。

この作品内にクラス全員がオマケ集めに協力するというエピソードがあるんですが、これを読んだとき、自分にもあった同じような出来事を思い出し「あの頃の楽園に戻りたい!」という気持ちになっちゃいました。大人の女性同士の環境下では、なかなかこうはいかないんですよね……。

しかし、こんなに平等なクラスでも、ちょっと格差を感じる瞬間があります……

それは「彼氏がいて、しかも経験済み」の人たちの存在です。ウチのクラスには平均して1〜2割しかいませんでしたが、男性経験のない私たちに比べると経験済みの女子たちは見た目も心もどことなく大人っぽいんです。マンガ的表現でいうと、私たちが2頭身で彼女たちが10頭身に描かれるくらいの差が確実に出てしまいます。クラスであまり目立つタイプでない経験女子たちは静かにクラスの先頭を爆走し、私たちがその距離差に気がついて自決しそうになるのは、だいたい卒業後に開かれる彼女たち主催の合コンあたりなのです(自分たちのチンチクリンっぷりがマジで辛くなります)。

(2頭身は腕を見せる相手もいないので腕毛伸び放題、もしくは雑な処理でジョリジョリ……)
(2頭身たちは「早くない??」といいつも、10秒後には「痛かった?」「どうだった?」と根掘り葉掘りと聞きまくっていた※個人談)

あとたまに「女子校だと若い男の先生はかなりモテるでしょう?」と聞かれることがありますが、クオリティの高いイケメンでない限り、一定の人気を維持するのは難しい世界です。最初はその若さと物珍しさにちやほやされるかもしれませんが、しばらくすると飽きられ、おちょくられる対象になるか見向きもされなくなってゴミのように扱われます。

(最終的には屈辱的なあだ名までつけられるので、若い男性教師は女子校志願しない方がいい)

だけど……本気で片思いしちゃう子も少なからずいるんですよね、実際。この本の後半でも主人公のグラ子と体育講師の亮先生の恋物語が展開します。

(スキー合宿の帰りのバス車内、寝ている亮先生のとなり席を確保する健気なグラ子)
(アタシ、先生のこと…どんどん好きになっちゃうょ……)

はじめのうちは健気なグラ子の様子がかわいく見えるところもあるんですが、ストーリーが進むにつれ、彼女のやりすぎ具合が心配になっちゃう面もあったりして、そのドラマチックさに目が離せません。普段から同じ環境に男子がいると、もっと気持ちに整理をつけて行動できるはずなんですが、女ばかりの女子校でぬくぬく過ごしていると、異性に対しての愛情表現もかなりいびつになってしまうんです……。グラ、グラ子〜〜〜!!!!!!! しっかりしろおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!

あと、この本は主にマンガがメインですが、たまに小ネタイラストが盛り込まれています。それが女子校経験者が頷きまくるマジのあるあるネタなので、そちらもぜひチェックして欲しい。

(主に身長150センチ前後の子が上に座ってくる)
(最近はエアコン完備の学校も増えてきたので、こういう女子高生の姿も珍しくなってるのかな……)
(近隣住民は彼女たちの真の姿をしらないので、女子校に対してのジャッジがかなり厳しい。ウチの学校もよく密告がありました)

無邪気さ、下品さ、甘酸っぱさ、すべてが懐かしくて愛おしい『女子校デイズ』、ぜひ読んでみて〜!!!!

女子校デイズのマンガ情報・クチコミ

女子校デイズ/グラハム子のマンガ情報・クチコミはマンバでチェック!1巻まで発売中。 KADOKAWA / エンターブレイン