『ちいさこべえ』望月ミネタロウ×『未来のアラブ人』リアド・サトゥフのトークイベントが京都国際マンガミュージアムで開催

2019/08/23 5:00

みなさ〜〜〜ん、今年の秋、京都国際マンガミュージアムで、『未来のアラブ人』の作者 リアド・サトゥフ氏とマンガ家 望月ミネタロウ氏のトークショーが開催されますヨ〜〜!!

『未来のアラブ人』は現在23か国語で出版され、200万部の売り上げを記録する“ 超 ”がつくほどのベストセラー。もちろん日本でも今年の7月26日に、花伝社さんから日本語版が出版されました。

「そんなに売れまくった作品っていったいどんな話?」と、気になる人もいると思うので、ここでちょっと作品についてご紹介。

『未来のアラブ人』とは
シリア人の大学教員の父と、フランス人の母の間に生まれた作者リアド・サトゥフが、自身のリビア、シリア、フランスでの幼年時代を描いた自伝的作品。父はソルボンヌ大学の博士号を取得後、カダフィ政権下のリビア、ハーフィズ・アル=アサド政権下のシリアで働きはじめる。リアド少年は、政治、環境、文化の異なる土地を転々とし、その違いに戸惑いながらもたくましく育っていく……。作品は全6巻で完結予定。今回、日本で出版されたのはリアドが0歳〜6歳ごろまでを描いた『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』。

幼いころのリアド少年は、ふさふさのプラチナブロンドの頭とあどけなさで、周囲の大人たちを虜にしていました。

リアド本人のTwitterにも金髪の子ども時代の写真が公開されている(『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』リアド・サトゥフ)

汎アラブ主義(アラブ民族の解放とアラブ世界の統一を目指す考え方/Weblio辞書より)だった父は、当時のアラブの教育問題を改善したいという希望を持って、リビアの教員となり(実は同時期にオックスフォードから助手の誘いもありましたが、それを蹴ってまで……!)、一家はカダフィ政権下のリビアへ移住することに。

トリポリはリビアの首都(『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』リアド・サトゥフ)

当時のリビアは個人所有を廃止しており、家も食べ物も「みんなのもの」という考え。一見良さそうにも思えるが、これがなかなか大変なのです。

果たしてホントにいい国なのだろうか……(『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』リアド・サトゥフ)

例えば、無人状態で家を出てしまうと……

他の家族に平気で乗っ取られる。

配給制の食料は……

無限バナナを喜ぶのは子どもだけ(『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』リアド・サトゥフ)

かなり偏った食料がその都度あてがわれ、好きなものを食べる自由もない。

フランスへ一時的に戻るも定住はせず、父は祖国シリアの教職(しかも助手!)につき、一家は社会主義・軍事独裁国家(しかもイスラエルと戦争状態)のシリアへ……。

フランス人の母は馴れない土地での生活にどんどんと疲れていく(『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』リアド・サトゥフ)

シリアでの生活は父の親族もいて多少の安堵感はあるものの、町は荒れ放題。

ウンチの主は……実は人間だったりもする(『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』リアド・サトゥフ)

フランスではちやほやされていたリアド少年も、周囲と異なる見た目から「ユダヤ野郎」といじめられる始末……。

(『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』リアド・サトゥフ)

彼が生まれたのが1978年。そう考えると、彼の幼年期は当時の日本(高度経済成長からのバブル期へ向かうウハウハの時代)の暮らしぶりとは比べものにならないくらい過酷な状況のはずが……まだ価値観の備わっていない子どもの視点で描かれているためか、そこには悲壮感はなく実に淡々としたもので、ときにはコミカルな展開もあったりするのです。(これは余談ですが、作者(そして主人公)であるリアド氏がこの『未来のアラブ人』を描くにあたって、参考にした作品は……なんと、吾妻ひでお氏の『失踪日記』だったそう。)

この宙に舞うゴミ袋がまるで父の理想に翻弄される一家のようにも見えてグッとくるシーン(『未来のアラブ人──中東の子ども時代(1978ー1984)』リアド・サトゥフ)

父の理想に翻弄され、フランスと中東を転々とする一家。はたしてリアド少年は、フランスと中東を往復する生活のなかで一体どんな価値観をもった子どもになるのか。父の理想とする「未来のアラブ人」へと成長するか……? ぜひぜひ続きは本を買って読んでほしい。(売り上げは続編の刊行にも関わってくるかと思うので)

これまでおぼろげだった中東情勢への関心も高まる一冊。作品についての感想はマンバにもいくつか寄せられているので、そちらも参考に!

んで、ちょっと長くなってしまいましたが、ここからが告知です。

この『未来のアラブ人』の作者&主人公のリアド・サトゥフ氏が来日! 10月13日(日)には、『ちいさこべえ』でもおなじみのマンガ家・望月ミネタロウ氏とトークイベントを開催します。

今回はアンスティチュ・フランセ関西の主催する「読書の秋 バンドデシネの週末 in 関西」のイベントのひとつとして、京都国際マンガミュージアムで開催されます。シンプルな描線で現実よりもリアルな物語を編み出す二人の作品や、そのインスピレーションの源について語る予定。司会進行はこの作品の翻訳を担当された、鵜野孝紀氏。

人気マンガ家のおふたりに出会えるのはまたとないチャンス! ぜひぜひこの機会をお見逃しなく〜。

リアド・サトゥフ×望月ミネタロウ トークショー「現実(リアリティ)よりもリアルな世界から」
日時 10月13日(日) 14時〜16時
出演 リアド・サトゥフ、望月ミネタロウ、鵜野孝紀(司会)
場所 京都国際マンガミュージアム/1階 多目的映像ホール
定員 200名(先着順、事前申し込み不要)
   ※当日午前10時から館内でトークイベントの整理券を配布します。
料金 無料(ミュージアムへの入場料は別途必要となります)
主催 アンスティチュ・フランセ関西(旧 関西日仏学館)
   京都国際マンガミュージアム
   京都精華大学国際マンガ研究センター
協力 花伝社

リアド・サトゥフのマンガ情報・クチコミ

リアド・サトゥフ(リアドサトゥフ)の主な作品『未来のアラブ人 中東の子ども時代(1978-1984)』など。

望月ミネタロウのマンガ情報・クチコミ

望月ミネタロウ(モチヅキミネタロウ)の主な作品『スティックラーズ!』など。