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鳥山明さんのいなくなった日【夏目房之介のマンガ与太話 その28】
夏目房之介
2024/03/29 12:00
2024年3月8日、NHKBSからの取材依頼メールで、初めて鳥山明さんの訃報を知った。3月1日、68歳での逝去。ショックでしばらく頭が真っ白になった。昨年来戦後漫画の巨星が立て続けに鬼籍に入ったが、彼らについては私も割 […]
2024年3月8日、NHKBSからの取材依頼メールで、初めて鳥山明さんの訃報を知った。3月1日、68歳での逝去。ショックでしばらく頭が真っ白になった。昨年来戦後漫画の巨星が立て続けに鬼籍に入ったが、彼らについては私も割 […]
南伸坊『仙人の桃』(中央公論社)が出た。マンガ史に残すべき名作なのに、あまり評価されていないのが私としては大変に不服だ。今回、過去に何冊か出ていた本を一冊にまとめてくれて凄く嬉しい。私自身も大好きな中国志怪伝奇物の、落 […]
僕がマンガによるマンガのパロディを描き始めたのは、少年画報社「ヤングコミック」1977年6月22日号の『その後の…YESTERDAY’S HERO』6頁が最初だったと思う。今も溶けかけたまま太陽の周りを回るアトムや選挙 […]
文芸別冊「望月ミネタロウ」特集に掲載されたいしかわじゅん「ニューウェーブの後の人」は、時期的には遅れて登場した望月を、いわゆる「ニューウェーブ」の流れの影響下に出て来た作家ととらえ、〈ニューウェーブを経てきているなとい […]
日本漫画史で異様なほど多様なジャンルが生じた時期といえば、少なくともひとつは戦後漫画の市場爆発時期、70年前後から80年代にかけてだろう。 中野晴行『マンガ産業論』(筑摩書房 2004年)では、当時の市場爆発をゴムボ […]
前回ゴトウユキコ『天国 ゴトウユキコ短編集』を参照して、ジャンルへの期待と裏切りについて書いた。ジャンルへの期待について、今回はまず荒川弘『鋼の錬金術師』を参照してみたい。ゴトウユキコのような裏切りはなく […]
今回は『天国 ゴトウユキコ短編集』【図1】を取り上げてみたい。すでに活躍している作家で、ちょっと怖い作品や人の闇を扱うような作品も描いているようだ。が、申し訳ないが、私はこの本で初めて読ませていただく。版元から送っても […]
大友克洋の単行本未発表初期習作をまとめた貴重な一冊である。「COM」1971年2月号への新人賞投稿作『海が…』に始まり(ただし「COM」に掲載されたのは1頁のみ)、『戦場』『まっちうりの少女』『ルイーズ』など未発表習作 […]
本書は水野英子さんの呼びかけで、1999年から2000年にかけて全4回行われた座談会の記録である。語る会のメンバーは、上田トシコ、むれあきこ、わたなべまさこ、巴里夫、高橋真琴、今村洋子、水野英子、ちばてつや、牧美也子、 […]
日本の戦後漫画はほとんどが一色印刷で普及した。戦前には高価なハードカバーのカラー印刷の子供漫画もあったが、敗戦後の経済事情と、漫画雑誌のほとんどが白黒印刷だったこともあり、カラー印刷を使ったものはごく限ら […]