大友克洋『AKIRA』の仮囲いコラージュは東京の新名所だ

写真:池ノ谷侑花(ゆかい)

こんばんは。マンバ通信伊藤です。

渋谷のパルコがドーンと建替え中なのは、ご存知でしょうか。
地上20階地下3階建てのでっかいやつが2019年に完成する予定なんですよね。
2019年完成か、世はトーキョーゴリンに向かって建設ラッシュですナ、
とかのんきに蒟蒻畑ミニカップタイプとかを頬張っていたんですけど、なんか、工事してる時のフェンスがあるじゃないですか。仮囲いっていうの? その仮囲いね。渋谷パルコの仮囲いに大友克洋の『AKIRA』がコラージュされてるじゃあありませんか!

そういえば5月くらいにそういうニュースを見た気がするけれど、ついに実現したんですね。映え? これが映えなの? おじさんにも教えてくれ、これが映えなのか!

 

こんな感じになってる!

 
 
 

これはもうニュー観光名所と言ってもよいのではなかろうか。

よく知られているように『AKIRA』の舞台設定は2019年。しかも物語の中で2020年に東京オリンピックの計画が描かれています。
1982年に連載がスタートした『AKIRA』ですから、この東京五輪の存在は偶然の一致としか言いようがないわけなんだけど、当然のことながら『予言の書』なんてことが囁かれたりするわけですよ。
しかしAKIRAの世界はもうオリンピックどころじゃないことになってしまっているのですが……。

というわけで、パルコの勇気あるよネー、よくぞやってくれた! と評判です。
この仮囲いを企画したパルコのエンタテインメント事業部の小林大介さんに、企画の真意をたずねると。

街全体がスクラップ&ビルドの時代感の渋谷とAKIRAで描かれた世界がシンクロすると思ったのと、2019年秋の開業を目指しリスタートする新生渋谷パルコと同年の未来を描いたAKIRAの年代が符合したので、大好きなAKIRAへラブコールの口実が出来たということで。

とのこと。

 

そして、このコラージュを手掛けたのは、大人気のコラージュ作家河村康輔さん!
河村さんは、2012年に行われた『大友克洋GENGA展』でもメインビジュアルのコラージュを手がけていたので、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。

(C)Katsuhiro Otomo / MASH・ROOM (C)Kosuke Kawamura

 

ふぉー、いま見てもかっこいいぜ。
なんども「あの」大友克洋先生から指名がかかるっていうのはよほど信頼されているんだなあ。
というわけで、河村さんにもちょいとお話をうかがってみました。

──そもそもどういう依頼だったんですか?

そもそもはPACROの担当の方からPARCOが3年間かけて全面改装になり完成が2019年なのでその間の期間をフルに使ってAKIRAだけを使ってコラージュしたアートウォールを作れないかという依頼でした。
本当は5月目処で一回目をやる予定だったのですが、規模も大きいので準備が色々あり、5月は間に合わないので、何をやるかなど情報を入れない告知ポスターを作りましょうとなりました。なので、11月のタイミングというのは特に計算していた訳ではありません。スケジュール間としては2019年の完成までに全3回(最初のプレのは除き)を出すというくらいで何時までに必ずというスケジュールはありません。
2019年までに納得のいく作品が仕上がったタイミングで3回出すという感じです。
なので、2回目はもしかしたらいきなり1月に変わるかもしれないし、夏まで同じかもしれないしという感じです。

──おおお、、、このさきにまだ展開があるんですね。それは楽しみです。
今回の作品に関しては、実際にどういうプロセスで大友さんとのコラボレーションが行われたのでしょう?

まず僕がAKIRAの中から絵を選び一旦ざっくりと全体をコラージュするとこから初めて、それを見てながら打ち合わせをして、そこでの意見を反映させて本番の制作に入り、一旦3分の1くらいできたところで大友さんに見ていただき意見を伺って、また残りを進めて、切りのいいところで見ていただき…というのを繰り返して。

──おわりが見えない……。

最終的に全体図が出来て最後の打ち合わせをして、大友さんに全体の流れなどを見てもらい修正などしながら完成させました。

──すごい長いプロセスですね。それで5月発表から11月まで。ご苦労様です。今年話題になったものでいうと、4月に東京都美術館で行われた『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 ― ボスを超えて ―』で、バベルの塔の内部構造を大友さんが想像した『INSIDE BABEL』も話題になりました。
あれのコラージュも河村さんが手がけてますよね? 同じような制作プロセスですか?

ブリューゲルのお話は、突然大友さんからお電話いただきアトリエに呼ばれ「ブリューゲルのバベルの塔の作品作るんだけど、一緒に作らない?」とお話もらいました。
その場で、大友さんの中ではどんな感じの作品にするかざっくりはあったみたいで、
「俺が断面図描くから、その断面図のテクスチャーをコラージュで本物そっくりに作って」という内容でした。

『INSIDE BABEL』(C)Katsuhiro Otomo / MASH・ROOM (C)Kosuke Kawamura

──おおー、なるほど。大友さんの絵を、元のバベルの塔のタッチや質感に合わせていくって作業を河村さんが担当されたということですね。むちゃくちゃ信頼厚いですね。さて、AKIRAは舞台が2019年ということで、この先もまだまだ大友 x 河村の新たな展開を期待してしまいますが、具体的になにか予定があったりしますか?

まずは、仮囲いの作品もまだ後2回残っている状態なので、なんとも言えないですが、2019年何か面白いことあるといいですね! と、僕も願ってます!

──ガンガンにおねがいします!

 
 
 


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