いま縦スクロールマンガを読むことは時代の生き証人になることだ

いま縦スクロールマンガを読むことは時代の生き証人になることだ
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、、、大げさなタイトルつけちゃってなんかすいません。
 
いやしかし、いま、このタイミングで縦スクロールのマンガを読まないのは、この時代に生きている意味がないんじゃないかくらいの機会損失だと思うんですよ。歴史が生まれる瞬間を見逃しちゃうの? くらいのことだと思うんです。いま目の前で歴史が作られている! のでは?? ということであります。
手塚治虫が、マンガ文法を発明しながらマンガを描いていたようなことが、いま縦スクロールのマンガでは起こっているかもしれない、と。表現手法の発明ラッシュが起こっているんじゃないのかと。
 
ここでいう縦スクロールのマンガっていうのは、例えばcomicoのようなサイトで発表されているようなマンガのことです。
 
マンガをネットで読む、アプリで読む、電子書籍で読む、というのはもう充分に一般化したと思います。
だけど、コマがどのように扱われているかは、サイトごとに、ブラウジング環境ごとに結構な違いがあると思うんですよね。縦スクロールで読むことがベースになっているメディアでも、単にページを並べただけのものだったり。
 
その点でいうと、comicoみたいなサイトは、従来のマンガの文法を大きくはみだしたラディカルな展開をしています。
 
もはや「ページ」は喪失していて、コマという単位でさえ怪しくなってきている。そしてそれを支える文法が作られまくっちゃっているなーと。
 
とにかく、読んでもらうのが早いので、たとえば『せんせいのお人形』(藤のよう)という作品。無料のところだけでも読んでみて欲しい。一部分キャプチャするとこんな感じ。
 
 
 
すでにだいぶページもののマンガとは違うことになってますね。下へ下へとスクロールすることが演出上じつに自然に使われている。
しかも、comicoにおいては、この作品のコマの扱い方がとりわけラディカルというわけではないんですよね。すでに文法として確立されている。紙やkindleでしかマンガ読んでない層からすると、いつの間に?? という変化ではないでしょうか。紙で出版することを「とりあえず考えない」とすることで、ものすごく自由度があがるんだなあと嬉しくなっちゃうんですよね。
 
と、書いたそばからアレですけど、『せんせいのお人形』は、紙で出版もされてるんです、すんません。
 
『せんせいのお人形』1巻 藤のよう/著(KADOKAWA)
 
さっきと同じ場所が紙で展開されるとこんな感じ。
 
 
紙で、って書いておいて更にアレですけど、これkindle版からのキャプチャなんですよ。
アプリとwebで読んだ(つまり電子版)ものを、紙で読み直して、さらにkindleでも読んでる。同じスマートフォンで、違う構成のものを読んでいるっていう体験も、めちゃくちゃ新鮮というか、倒錯的でアガりますよ。これも「マンガの現在」な感じがビシビシくるのでおすすめです!
 
あ、コマのことばっかり書いて、内容のこと書いてなかった。『せんせいのお人形』は、ちょっと味わったことないバランス感覚を持ったマンガですね。タイトルとさきほどのキャプチャからすると、先生と生徒の教育もの、調教もの、だと思いますよ。ネグレクトを受け続けてきた少女が、クールな「先生」と出会うことで成長していく物語、と。
実際そのとおりなんだけど、実はこの先生がいろいろとおかしい。
 
 
コメディ要素があるんですよね〜。このへんの塩梅が非常に効いております。構成がすばらしい。なので、読んでください、読んでください。
 
話を戻します。
 
「で、見開きの表現はどうするの?」
 
スマートフォンでマンガを読む話をすると、ヒジョーによく聞く意見がコレですよね。マンガを読んでいるとき、キメの見開き大ゴマ表現でしびれたことは何度もあります。
電書を単ページで読んでいて、そこを気にする人はマーいるでしょう。個人的には、そんなに欲しけりゃ見開き表示のタブレットで読めば?(もしくは紙を買え)としか思わないですが。
 
だけど、ここぞの大ゴマ表現は、縦スクロールでも可能というか、むしろ新しい大ゴマ表現が生まれているではないですか。
 
たとえば『せんせいのお人形』のこれ。
 
 
このコマは、一般的なスマートフォンの画面に収まらない大きさです。つまり、画面をはみ出た大ゴマです。
だけど、やっぱり紙の大ゴマとはちがう。いっぺんにドーンと景色が広がるわけではない。
スクロールなので、大ゴマと言えど端から徐々に見えてくるわけですよ。そして、あ、まだある、まだ続くか、うわ〜、まだか〜〜、みたいな流れ。
 
この俯瞰のコマでいうと、読んでいる時に僕が感じたのは、まるでカメラが少しづつ引いていくような感覚。部屋の中でいた自分の目がどんどんドローンのように上昇していく感覚。静止画の中に縦スクロールのアクションが加わることで、カメラワークのようなものが生まれるんですよね。
これがもう楽しいのなんの。
 
最後に見開き表現をアップデートする演出で、めちゃくちゃ感動したものがあるので見てもらっていいですか。
 
『あくまでボクは。』(まき)というマンガで、この作品めちゃくちゃ攻めてます。
 
 
 
ええええーーーーーーーーーーー!? こんなのあり??
はー、びっくりした。
縦スクロールマンガの「いま」を絶対見ておいたほうがいいですよ!
 
いま知ったんだけど2巻が4/25発売のようです。
 

せんせいのお人形のマンガ情報・クチコミ

せんせいのお人形/藤のようのマンガ情報・クチコミはマンバでチェック! (comico )

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