連載
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マヌエレ・フィオール 著、栗原俊秀/ディエゴ・マルティーナ 訳『秒速…
夏目房之介
2023/06/30 5:00
日本の戦後漫画はほとんどが一色印刷で普及した。戦前には高価なハードカバーのカラー印刷の子供漫画もあったが、敗戦後の経済事情と、漫画雑誌のほとんどが白黒印刷だったこともあり、カラー印刷を使ったものはごく限ら […]
日本の戦後漫画はほとんどが一色印刷で普及した。戦前には高価なハードカバーのカラー印刷の子供漫画もあったが、敗戦後の経済事情と、漫画雑誌のほとんどが白黒印刷だったこともあり、カラー印刷を使ったものはごく限ら […]
高齢者にはグサッと来るタイトル。作者は齋藤なずな。何となく想像はつくし、まさに想像通りの作品でもある。主要登場人物すべて独居老人で、彼らの住む団地周辺だけで話が進む。同じような年齢になった私には、もはや「 […]
17回目にして企画がなかなか思いつかない。これまではその都度、すぐに主題が天から降って来た。が、今回はなかなか降りてこない。まあ長年この仕事をしているので、そういうことはある。というわけで今回は、ずいぶん前に手にした( […]
話題になった『チ。』の作者魚豊は、あるインタビューで「漫画とはどんなものだと思うか」と問われて興味深い発言をしている。 〈漫画のメディウム・スペシフィティって「コマ割り」だと思うんです。僕的な理解ではコマ割りというの […]
私と同じ1950年生まれのすがやみつるさんは、とんでもない人である。マンガの話を研究者などとしていると、「あ、それはね…」といって、誰も知らないような内輪話を始める。あっけに取られていると、じつは石ノ森章 […]
この記事は「後編」です。前編はこちらからどうぞ。 『正チャン』においてもうひとつ重要なのは、竹内オサムや宮本大人(ひろひと)ら研究者が指摘する正チャンというキャラクターの自立性である。竹内は正チャンの連載に付随する読者 […]
この本を読んでいて突然、この高田馬場の質屋の屋上でぐるぐる回っていた裸婦と力士の像に再会したときには、思わず「ぎゃははは!」と声を出して笑ってしまった。その寸前までまったく記憶から消えていた光景が思いがけず目の前に再現 […]
『正チャンの冒険』は大正時代、当時最新のグラフ雑誌「アサヒグラフ」に1923(大正13)年1月から連載された連続コマ漫画である。 すでに岡本一平の弟子・宮尾しげをの子供向け忍術漫画が人気を得て、徐々に児童漫画ジャンル […]
この本の原著は2011年にフランスで刊行されたマンガ(BD=バンド・デシネ)で、27万部を売るヒットとなり、当時14言語で翻訳され、2021年に限定特別版で復刻された。その版を日本語訳したのが本書である【図1】。お話 […]
手塚治虫『鉄腕アトム』は、月刊少年誌「少年」(光文社)1951~52年連載『アトム大使』に登場したアトムを改めて主人公に据えて、52年4月号から68年3月終刊号まで続いた。連載開始当時、手塚はまだ23歳の青年。51年に […]