マンバ通信『この世界の片隅に』関連記事24本まとめ

2017/08/16 2:51

(11)こまい

 

「すずさんは小まいのう」と言う周作に対し、幼なじみ水原は「すずは温いのう」と言う。この回では、すず・周作・水原の何気ない言葉遣いや相手の呼び方から考えられるそれぞれの距離感に注目しました。

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(12)右手が知っていること

 

アニメーションには原作にないエピソードがいくつか織り込まれいます。中でも原作後半に登場するすずの幻の右手の現れ方が異なっているシーンは印象的です。では、なぜ異なる必要があったのか?

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(13)サイレン

 

下巻から頻繁に出てくる警報音。マンガの画面のあちこちに白抜き文字の「う~」が、うねうねと左から右へコマとコマの間を縫いとる表現。これがマンガを読む際の視覚にどのように影響しているかというお話です。

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(14)食事の支度

 

どんな作品でも食にまつわる描写は見ていて楽しく、食事の支度も然り。『この世界の〜』においても原作とアニメーションでそれぞれ繰り広げられる食事の場面では、どちらもアングルや音楽など大変凝った演出がなされています。

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(15)かまど

 

原作マンガの特徴でもある「ページを繰り返して謎をとく」手法について、「かまど」周りにまつわるエピソードを用いて解説。第19回冒頭(中巻p.59)のすずとリンの比較の話も「ナルホド〜」の連続です。

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(16)遡行

 

原作の遡行シーン(昭和9年1月)をアニメーション版では昭和8年12月22日の出来事として描かれていることについて。冒頭にフォーク・クルセイダーズの『イムジン河』に関するかなり長めの解説を持ってきた細馬さんらしさ炸裂の考察回。

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(17)風呂敷包み

 

作品冒頭のすずが海苔の入った風呂敷包みを背負う10秒足らずのシーンについて、4,000字+細馬さん直筆イラストで熱く(厚く)語っています。このシーンを手掛けたアニメーターさんたちの素晴らしさはもちろん、コマ送りにしてすずの動きを見守る細馬さんの情熱には頭が下がります。

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(18)バケツの宿

 

捉え直し続けた連載もいよいよ最後。原作ですずは自分を「記憶の器」と比喩するが、アニメーションではその例えを言い換えた直後に海水の入ったバケツを映し出します。その流れの持つ意味のほか、作中によく出てくる「宿る」という表現について、最終回らしいしんみりとした趣で語られています。

『二つの「この世界の片隅に」』extra

 

書籍『二つの「この世界の片隅に」』でじゅうぶんに語り尽くしたと思っていましたが……細馬さん、さらに書いておきたいことがあるようです(素晴らしい!)。今回は『二つの「この世界の片隅に」』extraヴァージョンということで、すずが着ていた服の「柄」について考察しております。

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細馬さんの連載は以上です!

さて、マンバ通信にはまだまだ『この世界の片隅に』の記事があります。次のページに続きます。